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クラシックギター、ソロギター、カメラ、音楽、映画がすきです。

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フラワーカンパニーズ トウキョウサマレスト2018 で「ハイエース」に泣く

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フラカンとの出会い

フラカンのトウキョウサマレスト2018行ってきました!昨年のオハラブレイクで見てから新アルバムの『ROLL ON 48』を買って、通勤時間にヘビロテで聞いていました。

一年前には名曲「深夜高速」以外には名前しか知らないバンドでしたが、youtubeにアップされている手の込んだPVをみてジワジワとハマっていき、昨年からはじまったオジロックブーム(マイブーム)も手伝い、大好きなバンドになっています。

 

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こちらは9分間にわたるドラマ仕立ての「元少年の歌」。これをみて。思わず「がってん寿司」にいってしまったりしました。ちなみに今回のライブではコーラスでBABAの真城めぐみさんとうつみようこさんが参加していたので、「元少年少女の歌」になっていました。

 

鈴木圭介さんは伊集院さんのラジオのゲストにも何度かきていて、トークがとても面白かったので、MCにも期待していたのですが、グレートさんとBABAのおふたりも混ざって爆笑を巻き起こしていました。

ハイエースという曲

さて、この1年『ROLL ON 48』を聞いていたのは、なによりもその中で久しぶりに心をわしづかみにされた名曲「ハイエース」があるからです。

友人にギタリストが多く、移動と演奏とその他もろもろの活動で忙しくしている彼ら彼女らの姿とダブってしまったのか、はたまた四十路を超えてうすぼんやりと「残り時間」を意識し始めた自分と重ねてしまったのか、とにもかくにも本当にしみてしまったのです。

 

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約30分の徒歩通勤時間の間、イヤホンを耳に差し込み『ROLL ON 48』を再生するのですが、「ハイエース」が終わっては、またリピートして、気づいてみれば「ハイエース」しか聞いていないという日もありました。たぶんこの1年間で最も聞いていた曲なのではないかと思います。

 

ハイエースと隣のダンディ

そして、そのときがやってきました。ステージの照明が少し暗くされ、ちょっといままでにない緊張感というか静謐感が開場を包みました。ギターのイントロが静かに始まります。

この時点ですでにややウルっときてしまったのですが、まだまだガマン。そして圭介さんが歌い始めました。

 

ほこりまみれのハイエースに乗って 今日もどこかの町へと走る

6時間くらいか 10時間超えるか 事故が無いことを祈りながら

 

もう、ここでツツーと涙が。こうやって文章に書いてみるとふつうの言葉なのかもしれませんが、圭介さんのキメの細かいヤスリのような歌声が、心のメッキを優しく剥がしてどんどん入ってくるのです。本物の歌というやつです。

 

歌が続いてきます。

 

ライブの参加スタイルというのはいろいろあって、僕はどちらかといえば積極的にノッていって腕を突き上げたり、歓声を上げたり、大きく拍手をしたりするタイプです。

その日はたまたま隣に50代ごろとみられるダンディな眼鏡の男性がいらしたのですが、彼は小さいバッグを胸元で抱きしめるようにしていて、微動だにしないでクールに聞き入る、僕とは真逆のタイプの方でした。

 

歌が続いてきます。

 

かつてここにはあった 入りきらないほどの 夢と情熱 そして若さ 

 

このあたりでツツーだった涙がポロポロになってました。ちょっと自分でもびっくりするくらいの容易さです。

 

歌が続いていきます。

 

何度も何度も 季節を見送った

笑いながら 探しながら くぐり抜けてきた

歌の中を 歌の中を

 

このときにふと「隣のダンディはどうなんだろう?」と見てしまったのがいけなかった。

見てしまったのです。彼の頬をつたうものを。

さきほどはバッグを抱きしめていた手が、今は涙をぬぐっていました。

 

もうそれを見てしまったら、僕にとっては「お前もいま泣いていい!」と言われたようなものです。

ボロボロとボロボロとアツいものがこみ上げ、顎から滴り落ちるくらい流れてました。

涙のハイエースが深夜高速を爆走です。

涙のガソリン垂れ流しです。

 

歌が続いていきます。クライマックスへと。

 

いつまでこんなの続けてるんだよ いつまでこんなの続けられんだよ

圭介さんの歌声がテンションを増して、くたびれたハイエースのギアが上がって行きます。そしてそれと同時に涙も止まっていきました。

 

一発逆転!ガキの寝言か!夢売る商売!わかってるって!

やめたくないとか やめられないとか 誰かのためとか どうでもいいわ

 

ここまでにはなんとか自分を取り戻し、「HI YES!」のコールアンドレスポンスには参加できました。これは絶対やりたかったのであぶなかった。

 

そして1コーラス目のリフレインが終わり、楽曲の最後の竹安さんのギターの音が消えていきました。

水を打ったような静けさ。ライブハウスでやるロックバンドのコンサートとは思えない静寂が会場を包みました。クラシックギターの演奏後に訪れる静寂に似ています。そして万雷の拍手と歓声。

隣のダンディをチラッと見ると、元の微動だにしないスタイルに戻っていました。僕が見たのは幻だったのかと思うほど、全く同じポーズに戻っていました。でも、なんだか同じものを共有したという、一方的な親近感を抱かずにはいられませんでした。

 

ライブはその後もBABAのステージと爆笑トークもあって大いに盛り上がり、毎度のことながらふくらはぎはパンパンで汗だくです。こうして僕のフラカンのライブハウスでの初ライブ参戦は大満足に終わりました。

 

いやーそれにしても29年一緒にやってきたバンドのグルーブは本当にすごかった。次にフラカンに会えるのは来週にせまった「オハラブレイク2018」。楽しみです!